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尊敬する人

僕の母さん。
料理が上手で、切り干し大根の煮物は絶品。
お祝いの度に作ってくれる濃厚なチーズケーキもすき。
お母さんの手は魔法の手。
イヌもネコもお母さんの手で首筋やおなかなんかさすってもらうと、目を細くして極楽な顔をする。
あとお母さんの手にかかれば、ぬいぐるみたちに命が宿る。ぬいぐるみを使ってお説教、これは楽しい。

自己啓発本を買ってきて読んでは、得た知識を早速使って僕に伝授しようとする。僕はほとんど覚えていない。
やや短気なところもある。いや、めちゃくちゃある。そのたびに叱られ、僕はビクビク。
口グセは「いつまでも、あると思うな、親と金」

だけどやっぱり家族を大事にしてくれている
ご飯は家族集まって食べることが大事だと僕たちに言い聞かせる
困ったときはブツブツ言いながらも助けてくれる

そんなお母さんを、僕は尊敬している


話変わって、僕は3月に大学を卒業する
だが、その後どうなるのかは未定だ。
まともに就職活動をやらなかったのだから当然のこと。
4年生の初めのうちは、そんな踏ん切りのつかない僕に対して母さんはイライラしていた
だけどここまでくると、怒るというよりも僕に期待するのをあきらめたようだ
実は僕、期待されるとやる気がなくなるあまのじゃくなのだ(^^)。。。

実家に帰省したとき、母さんがふと、僕に向けてこんなことを言ってきた
「なんでもいいのよ。農業でもサラリーマンでもなんでもいい。あんたがやりたいことだったら私は何も言わない。ただし、自分が誇れると思う仕事をやりなさい」

そのときテレビでは、テレビ東京の“和風総本家”が放送されていた。刃物職人とそのお弟子さんが取り上げられていた。
職人であるおじいちゃんは、共に働いていた妻の死が響いて働く意欲を失いかけていた
そんなとき、ひとりの若者が刃物職人になりたいと何度も伺い懇願したそうだ
職人さんは若者の熱心さに負け、自らの技をこいつに伝授するまでは死ねないな、と苦笑しながらも再び輝きを取り戻すのである

そんな話を聞いた後だったので、お母さんは感動して涙目になりながら、僕に向けて上の言葉をかけてくれたのである



本当に僕がやりたい仕事

自らの手で魂のこもったホンモノの品をつくること

そして、いままで応援してくれた方に感謝として、その品を贈ることが僕の夢



自分に嘘はつけない

お母さんの言葉を胸に、一歩を踏み出さなくては。