青春23きっぷ③

「ニヤニヤすなっ!」


何回タキタさんに注意されたのだろうか。ひとが溢れ、目がチカチカするような大阪の街並みを前にしてだいちょまんは嬉しくなって、気づいたら口角を上げ、上を向いてキョロキョロしていた。おのぼりさんそのものである


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だいちょ「行ってみたい場所があるっさ」

そう言ってタキタさんの案内のもと私鉄を乗り換えてやってきたのは大阪なんば。目的は、九州でやってる『ドォーモ』という深夜バラエティ番組で日本全国のレトロゲームを探すというロケがちょっと前にあり、そこのお店に行って体験してみたかったのだ。一応ここまで来る前にネットで調べて作ったメモ用紙がある。それを頼りに、なんば駅からはだいちょまん主導のもとそのお店に向かうことになった

しかし、メモされた場所に向かうもただのパチンコ屋だったり普通のゲーセンだったり、そもそもお店が存在しない、などという散々な結果ばかり。加えて、お昼ご飯もまだだったので気を取り直して向かったライスカレーで有名な自由軒も定休日という運の悪さ。おまけにだいちょまんには優先順位というか最短距離という概念に欠けるものがあるのでおんなじ道を行ったり来たり…




夜勤明けでちょっとしか休んでないタキタさんの顔にも流石に曇った表情。

だいちょ「案内はできないし、にやにやばっかしてるし…自分めっちゃダメなやつじゃん!!」

タキタ「うん、知ってる。みんな知ってる。」


…なんて言いながらも、謝るだいちょまんに「今日は存分酒飲むから歩けば歩くほどいい」とフォロー。フォロー…だよね??






歩き疲れてお腹も凄く空いてる。でも自由軒ライスカレーもあきらめきれないな…。あ、あすこに入ってみよう!

たどり着いたのはアメ村『ニューライト』

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店内はタバコの煙で目はしょぼしょぼ、薄暗ーく、壁中にサイン色紙とラップ系のお兄さんが写ったポスターだらけだ

タキタ「いわゆる“キタナトラン”…」

(よくこーゆー店入ろうと思うね)というタキタさんの目線が痛いけど、だいちょまんはセイロンライス、タキタさんはカツカレーを注文

なんて言ってるのか分かんない低い男性のラップ音楽にガシャガシャフライパンを煽る音、いいにおいがしてきた!

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おぉ…これがセイロンライス…。シャバシャバなルーはとってもスパイシー。汗が吹き出す吹き出すったら。この雰囲気にはピッタリの一杯かも。





ややお腹が満たされたところで、メモにある最後のレトロゲームがあるお店がアメ村にあるので向かうことに。

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ここ、ここー!ドォーモの大雅君と岡本先生がロケで来て昔ながらのピンボールに興奮してたのよね

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ポケモンピンボールくらいでしかやったことなかったから、モノホンのピンボールに感動。だけどそれも始めだけで、全てが外国製だし、ピコピコやっても大音量が流れるだけでクリアしてるのかよく分かんない。というか難しすぎw

だいちょまんがピンボールをやってると、後ろにいたタキタさんが見知らぬ男性に話しかけられる。ちょっと気の弱そうな男のひと。

男性「あのぅ…実は来月カフェをオープンするのですが、いかんせん人が足りず大変な状況でして…。もしよかったらスタッフとして来てくださいませんか?」

タキタ「あ…フツーに働いてるんで、ごめんなさい」

男性「そうですか。。ごめんなさい、せっかく楽しんでらっしゃるときに(^_^;)」

タキタ「いえいえー」




平日の昼間っから仕事もせずぷらぷらとゲーセンで遊ぶ成人男性。そーだよなぁ…こんなことしてる場合じゃないんだよな…無表情で光輝く台を眺める。それからは全くピンボールを楽しめることができず、20分ちょっとで店を出ることにしました




そのあとは古着屋でアウターを購入したり、お笑いを見たり、道頓堀で客引きのおねーさんらにつかまって固まってしまいおねーさんもタキタさんも困らせてしまったりといろいろありましたが、再び淡路駅に戻ってきました

時刻は夜10時。タキタさんがずっと気になっていたというホルモン屋さんに入り、生ビールで乾杯!

お客さんは自分らふたりだけだったので気楽でした

目の前に置かれた七輪にテッチャンやスジなどごっちゃに入ったホルモン盛り、ほうれん草もやし山菜などたっぷり盛られた4種のナムル…どれも噛めば噛むほど様々な食感とうまみが口のなかに広がり楽しい

飲んでるとタキタさんのやってるお仕事の介護の話に。

昨日まで仲良く会話してたおじいちゃんおばあちゃんが次の日にはお亡くなりになってベッドが空いているというのが日常茶飯事。お年寄りが好きだという気持ち、優しい心だけじゃ絶対に務まらないお仕事。そこが一番辛いって。

あと、『うんち爆弾』や『早朝のお餅食べたい攻撃』など面白おかしく話すタキタさんのおかげでお酒がすすむ

みんな辛い思いもするけど、割りきる部分は割りきって仕事をするんだよね。でも、そのなかに人の笑顔もあって、それが原動力となる。他にもいっぱい話聞かせてくれてありがとうね。おまけに焼肉もご馳走になりました。グヘヘヘ




アパートに戻るやいなや酔いの回ったふたりともぐっすりと眠りにつく。翌朝、買ったばかりのアウターを羽織り、タキタさんにお礼を言って、アパートを出る

うしろを振り向くと、ベランダでタバコを吸うタキタさんの姿があった。だいちょまんは左手をめいっぱい空に掲げる。すると小さく見えるタキタさんも手を挙げる

タキタさんのアパートは葉桜になりつつある桜の木に囲まれていた。肌寒い大阪の街をあとにし、次なる駅へと向かうのであった