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ひつじ年だもん。なみのげイヤー!《中編》

今年6月、並之下4thシングル『ゆがむ、世界。』が発売になりました


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収録曲は

1.はこクラゲ
2.少女B
3.雨降り、水玉、お天道、てんとう
4.Happy Heart Wedding

…となっています




このCDの発売発表がされた日、物販でメンバーさんの手から受け取れたときはもうほんっとうに嬉しくって。それまでライブでしか聞くことのできなかった音楽がいつでも側にいてくれるんだから

歌詞カードを見てこんな詩だったんだ!とびっくりするのもまた一興。






3曲目に収録されている『雨降り、水玉、お天道、てんとう』

だいちょまんはこの曲が特に気になっていまして。



最初のメロディーはゆっくりでどんよりとしたスタート、それから2分40秒あたりで急展開。曲調ががらりと変わり、ラストスパートまで疾走感溢れるリズムになります





CDが出る前からこの曲をよく頭の中でかけて反芻させてたんだけど、何を訴えたい曲なのか想いは募るばかり

そこで、ブログという言葉を扱う媒体をせっかく用いているんだから歌詞に着目して、この歌にこめられた意味を追ってみます






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(20150801 並之下「ゆがむ、世界。」レコ発奉祝、、、~ひつじ年の夏の夜にて~)







なみのげの曲でカギを握るのは、動物の存在



動物の習性から自身を投影していたり、反対にその動きを俯瞰していたりと、さまざまな視点を持つ





『雨降り、水玉、お天道、てんとう』には、でんでんむしてんとうむしが登場していて、それぞれ平静と衝動に駆り立てられる思いが対比して表現されている



てんとうむしの飛び立ちたい思い

でんでんむしのようにうごけない自分



その狭間で揺れる思いが描かれている







しかし、次第に『言いたい』『死にたい』『知りたい』『聞きたい』と欲求を抑えきれなくなり、新たな展開を迎えてゆく


それが分かる歌詞の一節を見てください

はっぴーばーすでぃ
おめでとう
君は君のまま


…と言っているのに、次の瞬間には


はっぴーばーすでぃ
君はもう
今までの君じゃない


…と言っている



え、どっちなの?っていうツッコミがありつつ、とりあえず、単純なハッピーバースデーソングではなさそう


はっぴーばーすでぃ
僕はもう
君なしじゃいられない

はっぴーばーすでぃ
君はもう
君なしじゃいられない

はっぴーばーすでぃ
君はもう
君を捨てられない

はっぴーばーすでぃ
おめでとう
大好きな明日が来る



自分ではない誰かに依存したい気持ち

自分自身からは決して逃れられないという宿命




“僕”と“君”の関係性をどう解釈するかで、全然違う感想になるとは思うけれど。







最後になみのげならではの優しいメロディーと語り口で、僕らに語りかけてくれる



はっぴーばーすでぃ
おめでとう
Happy Birthday today



ひたすら煩悶する私こそが私なのであって、解決とかそーゆーうんぬんではなく、それに気づけた事こそがあなたにとって大切な事、生まれ変われた記念日なのだということ









…というのが、だいちょまんなりに考えたことでした





「何でもない一日が実はすごく大切さ 今日が誕生日じゃなくっても」と歌う竹内まりやの『毎日がスペシャル』が陽なら、なみのげの『雨降り、水玉、お天道、てんとう』は陰?





この感想は完全に蛇足?

読み返してひとり窒息?

知らない間に憲法発足?

なってみたいなチャン・グンソク




これが限界、あぁ。。










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(20141214 イカれてきてるnight(序) より)






『何もかも憂鬱な夜に』『教団X』などの著書で知られる小説家の中村文則さんのインタビュー記事を少し紹介します

大量に本を読むと人間の中に何が起こるかと言うと、変な海みたいものが出来上がる


変な海って…?



自分の内面に自然と海みたいなものが出来上がるんです。で、それは作家になるとかお笑い芸人になるとか、もちろんそれ以外のいろんな職業の人達にとっても、非常に素晴らしいものなんですよ。つまりいろんな角度から物事を考えられるようになる

例えば、ちょっと難しいけど“ポリフォニー”っていうのがあって。“多声性”と書くんだけど、それはどういうことかというと、作家というのは書きたい思想っていうのをまず書いて、でも自分とは正反対の意見もわざと書くんです。普通、書き手っていうのは自分の世界の中で、自分の思い通りにやるもんなんだけど、自分と正反対の意見もわざと書いて戦わせるんですよ。言い方を変えれば、いろんな考え方を自分の中に放り込むということになります

たくさんの本を読んだことで海みたいなものが出来上がっていて、才能が表に出る際にその海を通過してるように思うんです



この文章をだいちょまんが読んだとき、真っ先になみのげの曲が思い浮かびました


なみのげの曲と“海”が関わるのが多いのもそう感じさせるのかもしれないけど、

なみのげの曲を聴いたあとの感覚っていうのは、小説や絵本を読み終えたあとの余韻にすごく似ているんです


絵本のような好奇心をくすぐる世界観の一曲もあれば、小説を読んで「この気持ち、よくわかるなぁ…」と自分の心情を代弁してくれている表現に出会ってうずうずしたり、自分にとって未知なる思考に出会った故にくらくらしたり、「この描写の持つ背景ってなんだろう」と裏側を知りたくさせるような不思議な魅力もあったりする




「ゆがむ、世界。」はまさしく一冊の短編小説のような存在。





その文学的な詩が大好きだからハマっちゃうんだろうなーと思います

その詩にメロディーが宿るととんでもないことになるんだから。。






もうちょっと話したいことはあるのだけれど、今日はここまでっ