長崎は坂の街。



ぐねぐねと、細い道があちこちに連なっている。

免許を持たない僕は、細い細い路側帯をてくてくと歩く

その度に、ビュンビュンと風を切りながら走る車の姿。

辺りは暗くなっているというのに。

何をそんなに急いでいるのか





車が横切る度に、ふと思う。

『もし体勢を崩して、道路側に倒れこんだら…』

『フェイントで道路側に飛び出して、驚かせてやろうか』



飛び込んでやろうか飛び込んでやろうか飛び込んでやろうか




肉体と鉄塊、飛び散る肉片。血しぶき。






猛スピードで走るドライバー、死ねばいいのに。